株主の皆様には日頃より当社へのご支援を賜りまして、心よりお礼申しあげます。
さて、先日、中間決算の発表をいたしましたが、株主の皆様には当社の状況、そして今後の見通し等を詳細にお伝えできればと思います。ご一読いただけますようよろしくお願い申しあげます。

株式会社ヒガシトゥエンティワン
取締役 代表執行役社長  児島 一裕

Q12023年3月期第2四半期の業績についてどのように評価されていますか。

当第2四半期の業績は、「中期経営計画2023」達成に向けた業容拡大を着実に進めるとともに、経費節減、業務効率の向上を目指した取組みについても成果を上げることができました。その結果、売上高は163億円(前年同期比31.0%増)、経常利益は9.6億円(同17.8%増)と、ともに前年同期を上回り過去最高を更新しました。

増収の要因としては、2021年10月にスタートしたインフラ会社向け資材調達3PL事業が上乗せされたこと、当期首から連結対象となった山神運輸工業において付加価値の高いエンジニアリング事業の業務受託量が増えたこと、オフィスサービス事業が進展したことなどが挙げられます。

【中期経営計画2023(2021/3~2023/3月期)の進捗状況について】

続いて、今期で最終年度を迎える「中期経営計画2023」の当第2四半期における売上高等の進捗状況についてご説明します。当社では人・倉庫・マテハン(ベルトコンベアや梱包機器など)・車両・システムを最適に組み合わせる物流設計力を基盤に、今後大きな成長が見込める「3PL事業」「オフィスサービス事業」「ビルデリバリー事業」、そして成長速度を加速させるための「M&A」を重点事業として位置付けています。

―「3PL事業」

長年の輸送・庫内作業の実績・ノウハウと800社超の協力会社を持つ強みを武器に企業物流を一括して受託する「3PL事業」では、インフラ会社向けの資材調達3PL事業の開始などにより、売上高は40億円(前年同期比161.5%増)となりました。

―「オフィスサービス事業」

認証・追跡システムを活用した万全のセキュリティを強みに事務所移転・引越しなどを請け負う「オフィスサービス事業」では、事務所移転需要の増加に伴い事業が進展し、売上高は23億54百万円(同17.5%増)となりました。

―「ビルデリバリー事業」

独自のエレベーター・荷捌駐車場管理システムなどを活用し、ビル内の配送を効率化する「ビルデリバリー事業」では、コロナ禍の影響を受けテナント企業のオフィス出社率が低下し、取次物流量が減ったものの、メール室・総務代行業務が伸び、売上高は8億49百万円(同10.5%増)となりました。

―「M&A」

2022年2月には、重量物輸送・エンジニアリング事業に強みを持つ山神運輸工業をグループ会社化しました。また8月には、ITシステムに関する技術サポート全般に強みを持つ旅人が新たにグループに加わりました。
今後も相乗効果が見込める企業とのM&Aを積極的に進めていきます。

重点事業領域の進捗状況 ※進捗率は中期目標に対する2023年3月期2Q実績の割合で算定しております。

3PL事業

積極的な業容拡大により、中期目標達成見込み

(単位:百万円) 3PL事業
ビルデリバリー事業

コロナ禍の人流抑制による影響を強く受け、中期目標の達成には、更なる進展が必要

(単位:百万円) ビルデリバリー事業
オフィスサービス事業

主に業務拡大により、中期目標達成見込み

(単位:百万円) オフィスサービス事業
M&A

グループの総合力を高めるべくM&A戦略を加速

(単位:百万円) M&A

※基幹事業に含まれるM&Aによる売上高は、重点事業売上高(M&A)として扱います。

Q2今期の業績見通しについて教えてください。

今後の成長に向け下半期に必要な投資を実施する予定ですが、重点事業領域を中心に売上・利益共に引続き堅調な推移を見込んでおり、過去最高の売上・利益を達成する見通しです。

2023年3月期第2四半期の業績発表に合わせ、通期の業績予想を上方修正しました。
売上高については330億円(前年同期比18.1%増)、営業利益17.8億円(同20.7%増)、経常利益18.5億円(同10.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11.7億円(同4.5%増)と予想しています。
2023年4~5月に予定している北大阪ロジスティクスセンターをはじめとする大型物流センターの開設に関わる初期投資費用や、中長期的に成長をけん引する重点事業領域への人材投資などの費用がかさみますが、第3四半期以降についても当第2四半期までと同様、事業が堅調に推移し、売上・利益ともに予算を超過することが見込めることから上方修正を行いました。売上・利益ともに過去最高を達成する見通しです。

(百万円)

2023年3月期
連結業績予想
【ご参考】
2022年3月期実績
金額 前期比 金額
売上高 33,000 18.1%増 27,953
営業利益 1,780 20.7%増 1,475
経常利益 1,850 10.8%増 1,670
親会社株主に
帰属する当期純利益
1,170 4.5%増 1,120
1株当たり
当期純利益(円)
88.91 - 85.92

Q3株主還元の方針についてお聞かせください。

業績の上方修正に合わせ、期末配当を前回予想の26円からさらに2円積み増し、28円とさせていただく予定です。

当社は、株主の皆様への還元方針として、長期的発展の礎となる財務体質の強化と、安定配当の維持を基本としつつ、成長により獲得した利益を、連結配当性向30%以上を目安に還元することを掲げています。
当初中期経営計画最終年度の目標として1株当たり20円の配当予想を掲げていましたが、今般の業績予想の上方修正に合わせ、期末配当を本年度の当初予想26円からさらに2円積み増し、28円とさせていただく予定です。

1株当たり配当金・配当性向の推移

1株当たり配当金(円) 配当性向(%)

1株当たりの配当金・配当性向の推移グラフ

Q4ESGに関する取組みの中で直近のトピックスを教えてください。

当社は、「安全と安心を大切にして、物流事業を通じ社会に奉仕する」という経営基本方針のもと、ESGに関する取組みに力を入れています。CSR活動では、やさしい気持ちで子どもたちの未来を応援したいという思いを「ひまわりプロジェクト」と名付け、取組みを行っています。トピックスとして、「ひまわりプロジェクト」取組みの一環で行った「こどもミュージアムプロジェクト」の取組みをご紹介します。

一般社団法人こどもミュージアムプロジェクト協会が行っている「こどもミュージアムプロジェクト」は、子どもたちが描いた絵をトラックにラッピングすることにより、ドライバーや、それを見た周りの方に「やさしい気持ち」を広げることで交通事故の撲滅、危険運転ゼロにつなげようという活動です。当社グループではこの活動に共感し、取組みに参画しています。
この取組みの一環として、子どもたちから「交通安全」に関する絵画を募集する「交通安全絵画コンテスト」を毎年行っています。本年度は8・9月に絵画を募集し、グループ会社に加えパートナー会社様にも参加を呼びかけた結果、過去最多となる121作品が集まりました。入賞作品はラッピングトラックやお客様に配布するカレンダーに活用していきます。
また、コロナ禍の影響を受け2年間中止となっていたプロジェクト啓発イベント「こどもミュージアムフェスタ(2022.9.11開催)」へ協賛企業として参加し、ラッピングトラックの展示協力やブース出店を行いました。当社ブースへの来場者は1千人を超えるなど、大盛況のイベントとなりました。私自身も従業員とともに参加し、交通安全の大切さを子どもたちに呼びかける良い機会となりました。当社では、こうした取組みにグループ社員がボランティアとして参加することで、社会問題に目を向けること、さらには当事者意識を持って行動することを大切にしています。

ひまわりプロジェクト

今後も事業の成長を目指しつつ、持続可能な社会の実現に向けたESGに関する取り組みにも注力し、さらなる企業価値の向上に努めていきます。