輸送とエンジニアリングの融合で新たな価値創出を
—可能性は未来へと広がる「山神運輸工業株式会社」—

インタビュー対象者(※業務内容・所属部署は取材当時のものです。)
 ・山神運輸工業株式会社
  代表取締役社長 氏郷 敏章

 ・山神運輸工業株式会社
  取締役 本田 芳樹

2022年2月から、ヒガシグループに加わった「山神運輸工業株式会社」は、1949年の創業以来、一般貨物輸送を中心に事業を展開してきた歴史ある会社だ。2005年からは、機械据付や配管、電気、土木工事等を行うエンジニアリング事業にも本格的に取り組み、物流の枠を超えたサービスへと事業領域を広げている。これまで、エンジニアリング機能を持たなかったヒガシグループにおいて、同社はどのような価値を発揮しているのか。この記事では「山神運輸工業株式会社」のエンジニアリング事業本部にフォーカスし、その業務内容や強み、そして今後の展望までを紹介する。

 

つながる力が、シナジーを生み出す

  • ヒガシグループへ参画することになった経緯や理由を教えてください。

    氏郷

    前経営者が後継者問題を抱えており、中小企業として生き残っていくためにはM&Aも選択肢の一つとして捉えていた中で、ヒガシグループとのご縁をいただきました。同グループは電力会社や鉄鋼メーカーとの取引があり、当社と同じ得意先を持つことから、今後のシナジーをイメージできたことが大きな決め手になったと思います。
     

    また、昨今の物流業界では、法改正等により管理面でのハードルが一段と高くなっており、ガバナンス強化の面においても、グループ参画により的確な指導を受けられるのは大変ありがたいと感じています。グループ参画から3年が経ち、社員たちも、グループ内での役割や業務の位置づけについて実感を持ち始めているところではないでしょうか。

     

輸送から設置・工事までワンストップ対応

  • 「山神運輸工業株式会社」の業務内容について教えてください。

    山神運輸工業株式会社 代表取締役社長 氏郷 敏章

    氏郷

    1949年の創業以来、陸上輸送を中心とする物流事業をメインに展開してきました。創業当初は鋼材や機械の輸送が主でしたが、次第にメーカー物流全般へと業務を拡大し、お客様の工場内での構内作業や倉庫・在庫管理も手掛けるようになりました。

    さらに時代の変化とともに、機械などの重量物輸送に加え、据付や配管、電気工事といったご要望も増えていきました。こうしたニーズに応えるべく、構内作業や倉庫業務で培った豊富な経験を活かし、最適なソリューションを提供するエンジニアリング事業を強化し、一貫したサービスの提供体制を構築しています。


  • 本田

    たとえば飛行機や船で重量物を運ぶお客様にとっては、荷下ろしやその先の陸上輸送だけでなく、搬入先での荷物の取り付けや設置、さらには試運転までのすべてを当社に一括で任せられるのが最も効率的で、エンジニアリング事業部を立ち上げたのは、そうしたお客様のご要望にお応えしたいという思いが背景にありました。

  • エンジニアリング事業の業務において、特に強みとしている領域はありますか?

    本田

    当社の強みは、困難かつ細やかな配慮が必要な案件にも積極的に挑戦し、社会のニーズに応え、確かな実績を積み重ねてきた点です。

    中でも印象に残っているのは、東京2020オリンピック競技会(2021年開催)前の、東京都下水道施設におけるポンプ設備工事ですね。近年、日本では台風やゲリラ豪雨といった自然災害が増えており、東京では1時間に60ミリ以上の雨が降ると床上浸水のリスクが高まるとされています。そのため、万一に備え、老朽化していたポンプ施設の非常用発電機を刷新することとなりました。非常用発電機の重さは約20トンもあり、それを東京特有の狭い道路を通って安全に運搬する作業は大変困難な案件だったと記憶に残っています。

    また、大震災に伴う原子力発電所事故の際、津波によって放射性物質が入った容器が施設外へ流出したり、容器自体から放射性物質が漏えいすることを防ぐための容器固定補強工事を担当したこともあります。こちらも危険を伴う業務でしたが、経験豊富で使命感を持ったメンバーが最後までやり遂げてくれました。

何度も現場に足を運び、無事故完工を徹底

  • 仕事をしている上で大切にしていることやモットーはありますか?

    山神運輸工業株式会社 取締役 本田 芳樹

    本田

    お客様から仕様書をいただいた段階で、必ず何度も現場に足を運びます。事故を防ぐためにも、現場の動線や作業環境を実際に確認し、あらゆる角度から問題点を洗い出すことを大事にしています。

    問題点を洗い出した後は、詳細な設計図を描き起こします。人員の配置、クレーンやトラックの設置位置に至るまで、ミリ単位で記載して、万全の準備を整えます。事故を未然に防ぐためには、綿密な施工計画書の作成は必須です。

    また、大きな現場では、安全会議や関連会社を交えた安全審査会を開催し、現場での指導や作業内容について事前にしっかりと話し合います。こうした事前準備が安全な作業には欠かせません。

    それから、納期の厳守は当然の責任だと考えています。

  • 仕事のやりがいと、現在抱えている課題はありますか?

    本田

    私自身、工程・原価管理は元より、スタッフに任せた現場の仕事がきちんと納期を守り、無事故で完工したときが何よりうれしいです。

    ただ、昨今の物価高騰の影響で、材料費は高騰の一途をたどり、従来お客様にご満足いただいていた部品を探すには、時間も労力もかかるようになってきました。そうした中でも、できる限りご納得いただけるものを提案し、お客様と十分に協議を重ねて進めています。その分、私たちの技術力やサービスの丁寧さといった価値基準が、ますます重要になっていくのだと思います。

困難な依頼にも挑む、それが私たちの強み

  • 今後の展望について教えてください。

    氏郷

    ヒガシグループに参画して3年経ちましたが、まずはとにかく結果を出すことを一番に考えています。現在は5名体制のエンジニアリング事業部ですが、今後は10名規模へと拡充していくことを視野に入れています。それに伴って、横浜本社にあるエンジニアリング事業部の機能を将来的には関西圏にも展開し、2拠点で運営していくことが目標です。

    エンジニアリング事業部は発足から約20年、一貫して「お客様からのご依頼を断らない」姿勢を貫いてきました。それが私たちの最大の強みであり、継続的に信頼をいただける理由だと自負しています。今後は、さらなるコミュニケーション力の向上にも力を入れ、一層の事業成長を目指します。
  • 本田

    ヒガシグループは、関西圏では非常に高い認知度を誇る企業です。そのグループの一員として、私たちの持つ技術力と対応力を加えることで、より多くのお客様の期待に応えられる価値ある仕事を生み出していきたいと考えています。今後もグループ全体の力を高める一翼として成長し続けます。

 

「山神運輸工業株式会社」は、長きにわたる歴史の中で、輸送サービスにとどまらず設置・据付、メンテナンスに至るまでトータルに責任を持って対応し、高い技術力と対応力を積み重ねてきた。現場の細部にまで目を配る丁寧な姿勢は、顧客からの熱い信頼につながっている。

困難な業務にも果敢に挑むチャレンジ精神は、ヒガシグループに新たな可能性をもたらし、今後さらなるグループシナジーを生み出していくことになるだろう。

 

本案件の担当事業所

山神運輸工業株式会社 エンジニアリング事業本部
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